最後の審判

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私は病気で死んだ。 死んでからすぐ、死後の案内人と名乗る人物が現れ、空へ連れていかれる。 厚い雲を抜けた先で視界に飛び込んできたのは、白くて大きい建物。 案内人に中へ入るよう言われ、恐る恐る扉を開く。 建物の中には、大男がデスクに座って待ち構えていた。 もしかして、閻魔様なのだろうか? 閻魔様は、死者を裁いて天国か地獄かを決める人。 ……地獄には行きたくない。 いや、大丈夫。 悪いことはしていない……とは言い切れないが、犯罪は起こしていない。 困っている人がいたら助けていたし、頼られることが多かった。 仕事は休まず働いて、退職後は両親の介護をしながら息子の仕事を手伝い。 思い返せば、真面目過ぎた人生。 きっと、天国行きのはずだ。
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