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それから月に二回くらいのペースでパフェ巡りをした。
いつしか映画や買い物などにも一緒に行くようになり、僕らは自然な形で付き合うようになった。
美咲は僕の五歳下だけど、食べ物の好みや映画の好みが近い。好きなアーティストは違ったけど、僕がバンプで彼女が米津。結局、お互いどちらも好きになった。同じもので美味しいと言える、同じところで感動できる、同じものが好きって言えるのは何よりも居心地が良かった。
特に嬉しかったのは、春先、フルーツパーラーナガノに連れて行った時のこと。季節限定の苺パフェを食べながら美咲は目を輝かせた。
「ここの苺パフェ、いちばん好きかも」
僕らは、都内の名の知られたパフェを食べ尽くしたかもしれないと思うくらいパフェ巡りをデートを重ねた。京都など旅行先に行っても、必ずご当地パフェを探した。
気がつくと、インスタのパフェ写真は百八十を越えていた。
最初のデートで行ったような豪華なパフェは、二人とも実はそれほど好きではない。いくつか新しいパフェを開拓すると、旅人が実家に帰るようにフルーツパーラーナガノに向かう。
「結局、ここが落ち着くね」と二人で苺をほおばった。
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