ボクの最初で最後の霊体験

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ボクの友人の一人は長距離トラックの運転手で、その仕事だと深夜に高速やなんかでも人気のない所を良く走るそうですね。まあ、彼の職場がそうなだけかも知れませんけど。 給料良いよって友達は笑っておりましたが、仮にトラック君とでもしておきますね。 で、もう一人仲の良い友人が居まして、こちらは霊感が強いって友達とその彼女さん。霊感君と彼女さんにしておきますね。 最もボクはそいつと一緒に居てもおかしな経験もしていないし、そいつ自身が『あそこに霊が居る』何て自分の能力を見せない奴。 だからぶっちゃけ霊の存在には懐疑的でした。 彼女さんは、ちょいちょい彼氏である友人の不思議能力を目撃するくらいには視える人だったらしい。 ボクは霊感なしの、いわゆる零感人間だから、 「きみ、守護霊強くてそう言うの寄り付きにくいらしいよ」 そう、初めて会った彼女さんから告げられた時は、心強いけどちょっと残念な気持ちになったかな。ボクだけ不思議体験は出来ないのかって思いましたから。 「わたしは霊感君に引っ張られてるって最近は感じる」 「え、大丈夫なのですか」 「うん」 ボクを気遣っている様で、実際は惚気たいだけかなと思いましたよ、正直な感想は。 だって、トラック君も霊感君も社会人になってから彼女を作れたのに、ボクだけフリーを貫いていましたからね。
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