4章 秋

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4章 秋

そらと出会って2つ季節を巡り、秋が来た。 私は、この半年間で笑顔で居る事が増えた気がした。 嫌いになってしまった、絵を描く事も 少しづつ好きに戻りつつある。今日は、病院の 紅葉景色を描きに広場へ、空と来ていた。 「四季の絵は綺麗だよね…」 「なんか、景色の綺麗さをそのまま描いてる 優しい人じゃないと描けない絵だ。」 突然、空が言ってきた。そんな事言われた事 無いので動揺していると… 「なんで四季は、この病院に通っているの?」 純粋に気になっただけだろう。そう単純に。 でも…私は、空に人生から逃げたと思われたくない。 死が近づいてるのに怖がらず、前を向く空に 臆病な子だと思われたくない。 その意思が働いて、空の前から 逃げようとしてしまう。 ガシッ。その瞬間、空に腕を掴まれていた。 「僕は、バカにしたりなんかしないよ。」 「何か好きな事に全力になる人は、 素敵な優しい人だから」 その瞬間、私は今まで我慢していた気持ちが爆発し ポロポロ涙が落ちてきた。泣いたら弱いのに… 「泣く事は、弱さじゃないよ。それも四季の想いが こもった涙だからむしろ、個性だよ」 あの、いつもの包み込むような優しい笑顔だった。 その優しさに包まれた時、自然に 私は話始めていた…。
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