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エピローグ 旅の続き
『風景画 優秀賞作品 四季』
私の名前が入った季節の絵は私がずっと
夢だった賞を貰えた大事な作品になった。
「四季、おめでとう。
やった。今度はちゃんと言えた。」優しく微笑む。
同じ職場のまりあが言う。
まりあとはあれからずっと一緒に、絵の練習をして
イラストレーターの事務所を2人で立ち上げ。
仕事しながら、私は風景画を描き続け
コンテストなどに参加していた。
まさかあの私が、また絵を描き優秀賞
頂けるなんてきっと死にそうになっていた
あの頃は思わなかった。
「あの時、絵を描く事を辞めなくて良かったなぁ」
生きていて良かった。感謝しなくては。
「四季の絵は、描き続けてたら
絶対こういう賞貰うと思ってたよ」
なぜか得意げに、鼻を膨らませるまりあに
「 なんで、まりあが得意げなの?」
と笑い合いながら返していたら、突然
「…素敵な絵ですね、僕の大好きな絵だ。」
聞こえたそのセリフは私の大好きだった
ずっと会いたかった人に笑顔が似ていた。
あの純粋で無邪気に笑う笑顔に…。
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