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愛馬のロンが、私に向かって鼻を鳴らした。
「俺がいれば、あいつの愛馬ノエルと連絡がとれるし、心配ご無用だ」
「そうね。頼んだわよ」
何で、馬が話せるのかって?
それは、馬が話せるのではなく、私が馬の話を理解できるから。
私は、自分の精霊が馬なの。だから、ロンが私の守護精霊。馬の実体となり、私の側にいる。
ロンは、ノエルを通してアーサーの考えを聞いてくれる。
アーサーは私に話す前から、ノエルに独り言のように話していたから、バージニアに行く気なのは知っていた。
私が精霊を持っているのは、家族の間でしか知らない秘密。
よく思わない人もいるから、アーサーにも言っていないの。
両親からは、結婚したら、夫となる人には伝えて良いといわれている。
なぜなら、子供も精霊を受け継ぐ可能性が高いから。
精霊を持つことは、良いことの方が多い。
だけど、知らない人から見ると、気持ち悪いらしい。
人間ぽくないからかな。
アーサーは、王家の人間だから、理解はあると思う。
伯爵家でも下位の家柄であるサミュエル家。
王都から少し離れた土地を所有している。
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