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「はい。皆様を助けるにはそれしかなかったと思います。それに、いずれ私はこの能力についてお話をするつもりでおりました」
「それは、どういう意図でだろうか」
「私がこのバージニアに来たのは、叔母の代わりに婚姻関係を結ぶためではございません。エセンは、今後婚姻による同盟ではなく、別な条件による同盟をご提案したいのです。私の魔術、先ほどの転移はかなりの魔力を使います。それ故、よほどの事態でないと使いません」
バージニア王は、遠くを見るような目をして、話し出した。
「エセンは昔から精霊の噂や魔術師団の話も聞いていた。だが、表立って戦で使う所を見たことがなかった。王家の血筋でこれほどの魔力とは、よく隠してきたものだ……」
「小国であるエセンは防衛秘匿が要。王家では、もちろん血脈で受け継がれる魔力もあります。ただ、鍛錬しないと使えないのです。素質はあってもものにならない場合もございます。よって、その能力も開花するまでは、ないも同様なのです」
「なるほどな。で、婚姻がどうしてもいやなのはそなただけか?」
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