61人が本棚に入れています
本棚に追加
「いえ。シルヴィア姫に不服などありませんが、私には心に決めた女性がおります。その者以外は娶らぬつもりです。父王も母だけを妃としています。エセン王家は子が出来れば側室は持ちません。だからこそ、今回の条件をお話に来たのです」
「納得できかねるな。別に構わないだろう。その女性との結婚を阻むつもりはないが」
「その女性こそ、ロゼリアです」
王は目を見張った。そして、皇太子を見た。皇太子は一歩前に出ると、低い声で話し出した。
「……やはり、そうだったか。馬を率いているロゼリアを見たときから、いやな予感がしていた。なぜ黙っていた」
最初のコメントを投稿しよう!