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バージニア王は、隣の皇太子の肩をポンポンとたたき、落ち着かせるとアーサーに退室を促した。
アーサーは退室すると、追ってきたピアースに止められた。
「このたびは、皇太子様をお救いいただき誠にありがとうございました。私の立場がなくなるところでした」
「とんでもない。お役に立てて良かった。隊長にはお世話になっているので、恩返しできて嬉しいです」
「ロゼリア姫のこと、素晴らしい女性なのはよく分かります。故に、皇太子様がますます惹かれるのも。ジョアンナ姫との婚姻がなくなれば更にロゼリア姫に固執される可能性もあります」
「わかっております。だからこそ、打ち明けたのです」
「どうやら、今日の様子を見たところ、黙って言うことを聞くような姫ではないでしょう。貴方を追いかけてきたのには訳がありそうですね」
「さすがピアース殿。その通りです。私も彼女の計画を聞いて驚きました。皇太子との婚姻は彼女が自分で阻むでしょう」
「だから、そのように落ち着いているのですか?」
「いえいえ。お互いの気持ちだけははっきりしているのです。出来ることをするだけですが、彼女だけは譲れません」
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