バージニアとの同盟

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 「馬については、かなり譲歩している。君の家の馬は非常に素晴らしい。育成に金がかかるのはわかっているし、そのため我が国でも伯爵領の税を免除しているくらいだ。種馬の購入費にのみは安い。購入費を割り増したとしても赤字にはならないが、利益も出ない。馬は貴重だし、戦にも必須だ。あと、香水についてだが、バージニアでエセンに先駆けて最初に販売したことを父王はお怒りだ。おそらく、この分だと評判になり、近隣国にも相当売れるだろう。バージニアに他国よりも優先権があれば、王妃様が口添えして、バージニア王をこの条件で説得するはずだ。ただし、私の母上達にも、あとで商品を融通しないと、ロゼリアはいじめられるぞ。覚悟しろよ」    「合意の条件は、なんですか?」  「エネルギー支援と婚姻同盟関係の解除」    「私にも当てはまるのでしょうか?婚姻同盟は王族のみではないのですか?」  「馬鹿を言うな。君はエセン王族になるのだ。私の婚約者なのだから」    真顔で言うアーサー王子に、つい吹き出してしまった。  「こらっ、何が可笑しい?」
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