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王は威嚇するように低い声で話した。すると、皇太子が叫ぶように言った。
「どういうことだ。この、最後の文章は。無理矢理付け足したに違いない。この間はこのようなこと言っていなかっただろう」
「落ち着け、ディルク。それよりも、交易条件についてだ」
最後に、王妃も書簡を見ている。
「エセンの馬は有名だ。しかも、高価で他国には売っていなかった。この間の反乱で馬を使って最後攪乱して、勝利したと皇太子からも聞いている。しかも、それがロゼリア姫の先導だったと。姫の家は馬を育てていたのか」
「はい。表向きの家業は花の栽培です。馬に関しましては、王家の意向もあり、秘匿されておりました」
「……なるほどな。香水は、姫が作ったと王妃から聞いていたが、それは本当か」
「はい。研究段階のものを急いで商品化し、バージニア城下で初めて商品として販売いたしました。エセンではまだ販売しておりません」
「なるほど。王妃よ。その香水とやらは、どうだ?」
「素晴らしい商品です。すでに我が国では、取り合いになっております。在庫切れなのよね?持っている私達は優越感にひたっております」
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