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卵とホログラム
いくつもの戸建て住宅が立ち並ぶ住宅街。そこを一人の男子高校生が歩いている。中肉中背。髪の長さはそこそこで、若干の癖あり。紺色のブレザーに身を包み、肩に鞄をかけている。
手に持ったスマホの画面に見入っている上、耳にワイヤレスイヤホンを付けているので、何かにぶつかったりしない限り、ごく狭い視界から入る情報以外、外界からの刺激は、何も入ってこない……はずだった。
「ん? 何だあれは……」
彼の目に、きらきらとした光が飛び込んできたのだ。
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