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「ん……?」
日曜の朝。彼が目を覚ますと、腹の辺りに違和感を覚えた。
卵のようなものの感触がない。
慌てて掛け布団をどかすと、そこには真っ二つに割れた卵の殻のようなものがある。
「孵化……したのか?」
それらに視線を向ける。内側は虹色に輝いている。
「何だ?」
輝きが増したかと思うと、それらの間に立体映像が映し出された。
映し出された映像は、一人の若い男の姿。髪はぼさぼさだが、顔つきは精悍。背中に一本の剣を差している。
その姿はRPGに登場する勇者のようだ。
男の上には白く縁どられた黒い板のようなものがあり、中に次のような文字が書かれている。
勇者 LV31 HP220 MP130
「ステータスウィンドウ! ……ゲームかよ!」
思わず口に出してしまった。
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