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 その目の前に、妙な連中が4人、姿を現した。  タンクトップ姿、巨漢で筋骨隆々の男。  ミリタリールックで、タンクトップの奴よりは小さいが体格の良い男。  白衣を身に纏う、スラリとした男。  琉装(りゅうそう)というのか、沖縄の民族衣装らしきものを着た、まるで人形のように華麗な女。  「俺の名はセオという。これからゲームを始める」  ミリタリールックの男が言った。どうやら彼がリーダーらしい。  「1分経ったらベルが鳴り響く。同時に俺達は活動を開始し、おまえ達を殺すために動く。この廃れた遊園地から無事に抜け出せたら、おまえ達は無罪放免だ。どこへでも逃げていけばいい。いいな、1分後だ。逃げに徹するでもいいし、反撃して俺達を殺すでもいい。ルールはない。健闘を祈る」  それだけ言い残し、その妙な4人は風のように動いて闇の中に消えた。  最初困惑していた死刑囚達は、しかし、すぐに無罪放免という言葉に色めき立つ。  「と、とにかく逃げようっ!」  誰かの声とともに、一斉に走り出した。  だが……。  あの妙な4人の殺傷能力は恐ろしいものだった。  開始されてから10分と経たないうちに、残るは自分1人となった。  龍一も死刑囚だ。大量殺人を行い服役中で、いつ執行されるかわからない。  どうせなら早いとこやってくれ、と思っていた。26年という短い人生だったが、後半はクソみたいなものだ。  命の危険にさらされているからなのか、昔のことが走馬燈のように目に浮かんできた。
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