世界バナシ

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世界バナシ

今から100年前のある日、【闇の国】から、『MAOU(魔王)』がやってきて、世界に『YOUKAI(妖怪)』をばら撒いた。 世界の半分以上の人間や動物や人魚が死に、海は闇の沼に変わり、たくさんの町は、ゴーストタウンになってしまった。 『MAOU(魔王)』を、倒す為、【春の国】、【夏の国】、【秋の国】、【冬の国】の、それぞれの『勇者(YUSYA)』が、力を集い闘って、『MAOU(魔王)』を『*OHUDA*(おふだ)』で、封印した。 『*OHUDA*』は、いつ剥がれるか、分からない。 残った人間達は、たまたま地球にやってきた宇宙人と協力しながら、世界にばら撒かれた『YOUKAI』を倒す為、日々戦っている。 これは、そういう世界線のお話。 * * * サラは、バイクに乗って白い街並みを走っている。 後ろの座席には、不知火がちょこんと座っている。 不知火は、【春の国】の『神さま』の一種で、神社で、神主(王様的存在)さまと、一緒に暮らしていた。 神主さまは、『YOUKAI』を倒す為に、残った人間に、パートナーの様な感じで一時的に貸し出している。(神さまは、不知火、以外もいる。) 家についたサラは、ヘルメットを外して、髪をふりふりとたなびかせた。髪はサラサラと踊る。 バイクは、家の外で無造作に放置された。 家は、白い四角い建物で二階建てだ。 扉には、鍵はかかってなく、勝手に開けてサラは入った。不知火は、サラについて行く。 ガチャり。 一階は、四つの部屋に分かれている。 一つは、玄関。もう一つは、お風呂。 もう一つは、洗面、脱衣所。そして、リビング。 サラは玄関の扉を開けて、リビングの部屋に入った。 リビングは、机とテレビが配置されている。 テレビは、今は、宇宙人が管理していて、この地球のテレビはもう放送されてはいないのでサラは、テレビを観ていなかった。 机の上に、水色の花瓶が置いてあり黄色い花が備えられていた。 サラは、狭い階段を上がり、二階に行った。 二階は、キッチンと、もう一つのリビング。 薄緑色のソファーに、木の小さなテーブルが置かれていた。 二階に不知火がついて来る。 「ちょっと、待ってね。今、ドッグフード出すから。」 サラが言う。 キッチンの棚から、ドッグフードを出して、皿にガラガラと出す。 不知火はボリボリと、ドッグフードを貪り食べた。 「私も、なんか食べるか。」 サラが言って、冷蔵庫を開ける。 「サワラの刺身と、サラダと、味噌汁と、ご飯かな」 サラは、今日の夕ご飯のメニューを確定した。
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