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「それ、どうした?」
史也は俺が持ってた手帳を指差して。
「あぁ、さっき外で拾ったんだけど、3年生のみたいで。
持っていきたいんだけど…着いてきてくんない?」
寮から学校に行く途中で見つけた手帳。
学年で色分けされてるから3年ってのはわかるけど、中までは見てなくて。って、正直毎日ギリギリで登校するから見てる暇なかったんだけど。
持ってた学生手帳を史也に渡せば、中を開いて確認…
すると、スッと絵顔が消えた。
「新はここにいろ。俺が持ってく」
立ち上がり頭をポンポンと叩かれたけど…
「いや、俺が拾ったし俺が行くよ」
「ダメだ。この人には会わせられない」
「何で?」
「何ででも!いいからここにいろ。
智ぉー」
史也は近くにいた真中 智を呼び、耳許で何かを伝えて教室を出ていった。
智は史也が座ってた椅子に座り、机に肘をつき掌に顎をのせ俺を見てる。
俺も同じように智に近寄り片ひじつけて顔をのせて聞いてみれば。
「ねぇ、何で俺が行ったらダメなの?」
「可愛いから」
「智も可愛いじゃん」
「僕と新はまた違うからね(笑)」
智も可愛いし、モテる。
それにこの学校に彼氏もいる。
だからなのか、偏見なんてこれっぽっちもなくて。
ただ自分が…って考えるとゾッとするだけ。
俺は幼く見えて女っぽい可愛い系。
智はキレイ系だ。
「意味がわかんない」
「いい加減、モテてることに気づきなよ(笑)」
「男に興味はない!」
「そんなこと言って…意外に新たな扉が開いちゃうよ」
智が軽くウインクしただけなのに、周りにいた男達がゴクッと唾を飲むのがわかる。
それに…“ピコンッ”隠し撮りされてることも。
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