平穏な生活

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「本当に興味ないの?」 「ない」 ジワジワと近寄ってくる智。 固唾を飲んでる周りの男ども。 「ノンケな気がしないんだけどな!」 「そんなことない!女の子が好き」 かなり近いところまで来て、あと少しでおでこがぶつかりそう。 「んー。まぁいっか。じゃあ一回してみる?」 「ん?何を」 「キ・ス」 顔を通り越し俺の耳許で吐息混じりに言われて、慌てて身体をのけ反った。 耳を押さえながら… 「な、なんて!?」 今の俺の顔…絶対真っ赤だ。 せっかく離れたのにまた近づいてきて、顎を持たれ智の顔が斜めに… あまりの驚きに動けないでいると… あと数センチのところで 「何やってんだよ!」 俺の顔と智の顔の間に手が。 その手の方を向くと…史也が眉間に皺寄せ立っていた。 「邪魔しちゃダメじゃん」 「見張れって言ったのに、お前が襲ったら意味ないだろ!」 「せっかくのチャンスだったのに。 もしこれで、嫌じゃなかったら史也もいい方向に向くと思ったのにさ。 いいもん。かっくんの所に行こう」 智は立ち上がり、史也にベーっと舌をだしながら彼氏のところに行ってしまった。 訳のわからない俺。 なんか…取り残された気分。 「さっきの智の…どう言うこと?」 「…新は知らなくていい」 史也は俺の頭を撫でながら、なんとも言えない顔してる。 って…俺だけ仲間はずれじゃん。 「さっきのちゃんと渡してきたから。 ありがとうって言ってたよ」 「ん、史也もありがとう」 さっきまでの変な顔じゃなくて何時もの笑顔見せながら俺の前に座る史也。 本当はさっきの話も先輩の所に着いていったらいけない理由も聞きたかったけど、もう聞くなみたいな雰囲気だから聞けなかった。
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