平穏な生活

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お昼。 史也に智に智の彼氏の山中 海翔(やまなか かいと)。 何時もこの四人で学食でご飯食べてるんだけど… 今日は凄く視線が痛い。 「なんで先輩がここで食べてるんですか?」 史也が嫌そうな顔しながら俺の横から顔を出して文句を言ってる。 文句言われた人は俺の横に座ってて。 知らん顔してサラダを食べてた。 「新君。食べなきゃ冷めちゃうよ」 史也の事なんかお構い無しに俺に話しかけてくる。 視線の原因は須永先輩と須永先輩と何時も一緒にいる安堂先輩がここにいること。 何時もなら離れた所に座って食べるのに。 他の席も全然座れるぐらい空いてたのに。 それでも先輩は俺たちの所に来て 「ここ、座っていい?」って、声掛けられた。 さすがの俺も「いやぁ…」なんて言えないから「どうぞ」って言ったら、史也から背中を突っつかれた。 振り向いて困った顔を史也に見せれば、小さく溜め息つかれた。 だって先輩だし。 拒否ったら後が怖そうだし…。 俺がそう答えれば先輩は嬉しそうに「ありがとう」って言って隣に座ってきた。 「俺までごめんね?」 安堂先輩は申し訳なさそうに先輩の前に座って、横に座られた智はなんだか嬉しそう。 その顔を見て海翔は智の耳元で何かを言えば、智は嬉しそうな顔を隠してご飯を食べ始めた。 「いえ…」 「新君、緊張してる?」 「それは、まぁ…話せるとは思ってなかったので…」 「そうだよね。俺もずっと史也に邪魔されてたから(笑)」 史也と先輩は俺を挟んで顔を見合わせてる。 「どう言うことですか?」 「俺、新君とずっと話したかったんだよ。でも、ナイトみたいに史也が邪魔するから話せなかった。 俺、史也と同じ部活だしね(笑) 今日、手帳拾ってくれてなかったらずっと話せなかったかも(笑) ありがとう。そのお礼にこれあげる」 そう言ってカレーの横についてた唐揚げを俺のお皿にのせてくれた。 「ダメですよ。先輩のなのに」 「口つけてないし食べて。お礼だから」 優しく笑いかけられた後、先輩はカレーを食べながら安堂先輩と話し始めた。
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