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夕方、大島先生が顧問をする剣道部を少し見学して18時には三葉と帰った。
大島先生は授業の時と剣道の指導の時は普段とは別人のように……ふとかっこよく感じるがあの野蛮さを知っていると、やっぱり無理。
「美帆子、大島先生に気に入られてるじゃん」
「えっ……」
「えっじゃないわよ。周りの実習生もあなたと大島先生の噂、聞いてる」
噂って……。
「飲み会の帰りに2人で一緒に帰ったの、お持ち帰りでしょ」
うわ、見られてた。
「大島先生。最初私の方を狙ってたみたいだけどガサツで野蛮で品がなさそうだったから無視してたけど……男気のある先生ね」
「そうかなぁ」
「そうかなぁじゃないわよ。首元にキスマーク……」
えっ……私は首元を確認した。三葉笑ってる。
「普通、学校でする? 美帆子ってガード低そうだから気をつけてって言おうと思ったけどもうダメだったわね。お幸せに」
「違う、その……違う」
誤解されてしまった。
「そういえば、さっきの生徒……槻山って言ってたわよね」
「う、うん」
三葉も気づいていたらしい。
「槻山先生の息子さんね」
「……そうだよね。みなと、って言ってたもん、息子の名前」
やっぱりそうだ。あの人の……槻山先生……槻山広見の息子だ。
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