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美帆子と不動産屋に行くことにした。僕は冗談で一緒に暮らさないかって聞いたら二つ返事で頷いてくれた。どうやら今の勤めている学校から違う高校に転勤するらしく、更新日も近いからって。
もう部屋はもう決まっていて不動産屋に最終確認を取るつもりだと言ったら美帆子はびっくりしていた。
2LDK、美帆子も一緒に住みたいって父さんたちにはなぜ2LDKか怪しまれつつも(もうこの時には恋人の存在はわかってたろうが)それなりの値段でバストイレ別の部屋を見つけた。
バイトも父さんの紹介で居酒屋のバイトや家庭教師とか……家庭教師があると今後に活かせると思ったけど。
できれば美帆子と一緒に住んで……と思っていたがあっさりと住みたいとのことだった。
だが不動産屋の前。
どこかで見覚えのある人が……と思ったら父さんと母さんだった。僕は美帆子さんと一緒に来たわけで。
2人とも顔を引き攣らせて、特に母さんは笑ってはいたが普通でない、と思った。
「こんにちは」
美帆子さんから頭を下げた。
「槻山先生、ご無沙汰しております。奥様も初めまして……菅原美帆子です」
「……美帆子さん、お久しぶり。元気にしているか?」
父さんは母さんを気にしながらも声をかけた。
「はい……今は〇〇高校に勤務してまして……」
「……ちょっといい?」
母さんが前に出た。
「……そこの喫茶店でお話ししましょう」
「……」
「4人でまずお話ししましょうよ」
何か嫌な予感がする。
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