君は神社にいた

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「そうね。優月ちゃん、若いもの。これからなんだってできるわ。病気もだいぶよくなったものね」 「はい」 尾上さんはほっとしたように笑ってくれた。だから私も同じように笑い返してみる。うまく笑えてるかどうかは…ちょっと自信がないけど。 「そこにね、ペンがあるから使ってね」 「分かりました」 尾上さんは勿論私につきっきりの看護師さんじゃない。他にも仕事は沢山ある。手を振るとパタパタと他の仕事に取り掛かりに行った。 「何も思いつかないんだけど」 皆は何を書いてるのだろう。ちらりと盗み見る。病院にあるというのもあってほとんどが『病気が治りますように』というような内容だった。子供だと『サッカーができますように』や『学校に通えますように』という内容もある。正直どれも切実だ。 「だったら…」 一度は憧れたちっぽけな願いを書いてみることにした。どうせ叶いっこないし。 『キラキラした青春を過ごしてみたい』皆の願いに混ぜてしまったら分からないだろう。私はあまり目につかない場所に括るとそっと病院を後にした。
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