運命の誕生日

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 「大和、笑っていたい。お願い、私を少し解放してくれる?あなたが好き。でも、このままだとあと二年待っていられない。でも仕事を辞めるのは嫌なの。私だって頑張って仕事してるし、この仕事が好き」    「解放するって別れてくれって言うのかよ?」    「ねえ、今までこの一年、私達って付き合ってた?違うよね。私も可愛くない女だから、甘えられず疑心暗鬼で連絡できなかった。私も悪いの。わかってるんだ。だからお互い自由になればあと何年かかるかわからないけど大和が帰ってくる頃に笑って会えると思うの」  大和は私をじっと見つめていたが、すぐに抱きしめた。    「嫌だ。別れたらお前、すぐ誰かのモノになったりするんだろ?絶対耐えられない。俺たぶん相手を殴っちまうぞ。別れたってお前が好きなんだから忘れられるわけ無いんだよ。お前のところに最短で戻ること考えて仕事してるんだ。わかってくれよ」  「橘君のことも殴ったことあったね、そういえば……」    私は思い出し笑いをしてしまった。  「紗良。笑ったお前を久しぶりに見た。俺、本当にお前を苦しめてきたんだな。これも神様の罰かもな」
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