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フラミンゴが、両足を地面につけるとき
獣皮の腰布を身に着けた青年が、小高い丘を登っていく。
上半身は裸で小麦色に焼けている。胸、腕、腹筋と全ての筋肉がよく鍛えられていた。
丘の上に巨大な石造が建っており、青年はその下で軽く一礼をして片膝をつき、果物を供えた。そして、立ち上がり石造を見上げる。足の長い巨大な鳥の形をした石造だ。
「『フラ様』への供え物、いつもご苦労」
背後から声がした。振り返ると、長く白いひげを生やした老人が立っていた。
「これは長老」
青年は一礼をしてから質問をした。
「長老。なぜ、フラ様は片足を上げていらっしゃるのですか?」
石造の脚は非常に長く、その上に丸い体が乗っかっていた。細長い首は高く天を仰いでいた。脚の片方を地面に突き立て、もう片方は折り曲げられて体に密着している。
「フラ様は『フラミンゴ』という鳥じゃ」
「フラミンゴ?」
「遥か昔に絶滅してしまった鳥じゃ。ところで、君はいくつになった?」
「十五歳です」
「私の両親は、隣国の奴らに殺されました。その後、この集落にいる里親に育てられました」
「そうか。そろそろ、話してもいい頃じゃろう」
「何についてでしょうか?」
「フラ様の伝説についてじゃ」
老人は近くの平たい岩に腰を下ろした。青年は草の上にあぐらをかいた。
「この辺りが自然豊かな丘ではなく、高い建物がたくさん建っておった頃の話じゃ」
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