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私の記憶は桜と共に散った
毎年、桜が咲く頃になると、私は毎晩、悪夢にうなされる。
その悪夢とは、顔は暗くてよく見えないが、目の前に居るのが、男の人だということは分かる。
その人を私は刺し殺す。
でも、罪悪感もなく、私はただ、その場に立ち尽くす。
その時、外は雨が降っていて、桜が雨に流されて散っていた。
毎回そこで、目が覚める。
もう、何十回と同じ夢を見ている。
その夢を見ているうちに、私は、家の庭に植えてある桜の木が苦手になった。
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