あの日の卵焼き

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 しかし!  ふっふっふ、今日は雅紀の喜ぶ顔が見れるかも!  私は長テーブルの席に雅紀のミルクティーを置き、向かい合った2席を確保する。  席につき、雅紀が食事を運んできてくれるのをソワソワしながら待つ。  実は今、私のカバンの中には卵焼きが入っている。  卵焼きは私が唯一作れる料理。  ネギとチーズとシーチキンが入った、自分的に超絶品の味のレシピで。  雅紀はチーズも好きらしいから、絶対ウケると思うの!  本当は朝からお弁当でも準備出来たら良いけど、そんな技量も時間もない。  だけど今朝はたまたま早く起きれたので、自分の朝ごはん用と雅紀のお昼用にと思って作った。キレイに焼けた部分を小さなタッパーに詰めた。  いただきます、と同時にコレを出して驚かせよう!  早く雅紀、来ないかな~。  ―――ガヤガヤ…。  部活動の人達の昼休憩と重なってしまったのか、配膳コーナーが混雑しているようだ。  そしてその中から運動部らしき男子5〜6名が、各自の食事のトレイを持ってこちらに向かってきた。  ―――2つトレイを持った雅紀を先頭に。
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