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*金木犀
・蝶々
・手のひら
・謙虚
「君って謙虚だよね」
「そうかしら?私はそんなことないと思うのだけど…」
「謙虚だよ。あ、悪い意味じゃなくてね?」
「ええ、分かってるわ」
もっと甘えてくれてもいいのにと、思わなくもない。
だがしかし、蝶々のように美しくて、少し儚げで、俺の事を常に思いやってくれる彼女が好きだから。
そんな彼女のこと全てを受け入れてあげたいと思う。
「もっと頼ってくれてもいいんだよ?」
「充分頼ってるわよ」
立ち上がるのを助けるために手のひらを差し出せば、その上にちょんと置かれる細い指。
ありがとう、と言って笑う彼女を見ると、いつでも守ってあげたくなる。
「帰ろうか」
「今日も送ってくれるの?」
「もちろん」
彼女の可愛らしい笑顔に答えるように、俺も口角を上げる。
俺の分と、彼女の分のカバンを肩にかけて、俺は彼女の白い指に自分の指を絡ませた。
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