20世紀最後のジンカイト

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「ようし、合体だ」 地球征服組織のヘマタイト、ネフライト、ジンカイトの3人は腕で肩を寄せ合い、回転を始めた。すると、巨大化し、三ツ首竜となった。 「おお、何という」 2人の勇者は驚いた。 その1人、勇者1号は、全身を宇宙服のような物で覆っていた。もう1人の勇者2号は、鎧と兜と具足を着けていて、いかにも勇者という感じであった。 「ようし、いくぞ」 勇者2号は剣をさやから取り出し、怪物に向かって走っていった。勇者1号は左手を銃に変化させ、怪物に対し光線を発射していった。 「ボディは攻撃が効かない。狙うなら首よ」 「そうか、ようし」 1号と2号は無線で互いに連絡を取り合っている。 勇者2号は怪物のボディを登っていき、真ん中の青色の首を剣で攻撃した。何度か剣を当てたが・・・。 「ダメだ、こいつはまるで鋼鉄のようだ。ならば右の赤い方だ。それにしても、左の首、白くて短いな」 勇者2号が右の方に飛び上がろうとしたその時、赤い首の口から炎が噴き出してきた。 「うわあっ」 赤い炎に包まれながら、勇者2号は地面に落ち、そのあと怪物とは逆の方に逃げ出した。そして勇者1号と合流した。 「くそっ、これまでの敵とは違う。どうにもならないんか」 「左の白い首が弱点みたい」 「ようし、そいつに集中攻撃だ」 その時、どこからか声がした。 「うわあ、やっぱりぼくにはできない~」 1号と2号はどこから聞こえたんだと辺りを見回し、そして・・・。 「どうやらあの白い首が叫んでいるみたいだな」 2号の言葉に1号もうなずいた。 そのあと、白い首は青い首にかみついてきた。 「一体どういうことだ。まあいい、敵はかなりひるんでるようだ。やるなら今だ」 そして、勇者2号は剣を構えた状態でかがみ、その後ろに勇者1号が立った。それから勇者1号の全身が光の炎におおわれ、そのあと勇者2号の剣が光り出した。勇者2号は剣を怪物の方に向けた。 「発射!!!」 剣からものすごい光線が飛び出した。それが怪物のボディに命中した。そして怪物は爆破し粉々になった。 「やったぞ~」 「ヤッタネ」 2号は大きく叫び、1号は低い声でつぶやいた。 しばらくして、1号は怪物がいた方向に走り出した。 「おい、どこへ行くんだ」 2号もそのあとをついていった。 ふと見ると、1人の青年のような人物が横たわっていた。1号はその人物を抱きかかえた。 「他は怪物の破片しかないか。他に2人いたはずだけど吹っ飛んだか。っていうか、おい、1号、手加減したな。おい、どこへ連れていく気だ」 1号が歩いていくそのあとを2号がついていった。
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