20世紀最後のジンカイト

7/8
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
「ジンカイトのやつ、裏切りおって。まあいい。ここへ乗り込んできたら、全員総出でかかれ」 女ボスは家来達に命じた。 一方、勇者達3人は、敵の本部の入り口の所まで来た。 「ようし、いくぞ」 勇者2号の掛け声と共に、3人は基地に乗り込んでいった。 そして、3人の勇者達と組織の戦闘員達との戦いが始まった。 勇者1号は腕の銃で攻撃していき、2号は剣で敵を斬り続け、3号は落ちていた機関銃のような武器を拾って撃っていった。 3人の勢いは全く衰えず、組織の戦闘員達は次々と倒れていった。そして女ボスは自分1人だけになり、追い詰められていった。 「ようし、覚悟しろよ」 勇者2号が相手に向かって叫んだ。 「ここで倒さなければだめだよ」 勇者3号も叫ぶ。 女ボスは逃げ出した。そして敵に背を向けて走っていく。1号と3号からの銃撃を何とかかわしながら。 と、その時、女ボスが壁に手を当てたと思った瞬間、その姿が見えなくなった。 「隠し扉から抜けただけだ」 勇者2号が同じように壁を押すと、扉が開いた。向こうは屋外であった。女ボスは遠くへ走っている。 その向こうに、三角形の建物が見えた。 「あそこに入ったら大変だ」 勇者3号が叫ぶ。3人は必死に追いかけていく。 そして女ボスは建物の中に入っていった。 と、そのあとすぐ、建物が炎に覆われていった。そしてそれはだんだんと大きくなっていった。 「ああ遅かったか。あの炎はどんどん膨らんでいって、いずれは地球を覆ってしまうんだ」 「な、何だって?そうかあれが敵の最終手段だったということね。全人類を皆殺しにするという」 あまり話さない勇者1号が説明した。 「ああだめだったか。1999年7月、あの予言通りになるんだ」 「いや、まだあきらめてはいけない。みんな、まだあの手がある」 「ああそそうね」 「え、何?」 「3号、いやジンカイト、これは3人が心を1つにしてできる技だ。今おれ達は3人いる。君はこれから起きることに同調し続けていてくれ」 そして3人が体を寄せ合う。すると、全員が炎に覆われ、それが大きくなっていき、敵の炎にあらがえるほどになっていった。 そのあと2つの炎は互いにぶつけ合いながら戦闘していった。それぞれの炎が膨れていきながら。 長時間その状態が続いていった。しかし・・・敵の方がやや優勢となっていった。そして更に肥大になっていく。 「地球が破壊の力で満たされるわ」 「もう、ぼくたちには押さえられない」 勇者達の心がそう感じた。 そして、破壊の炎は地球全土を覆っていった。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!