真っ黒な天使

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ある程度安定したらリハビリをし、歩けるようになったら片っ端から手続きをし、無事新しい家と新しい学校を手に入れた。転校生ということで馴染むのには少々苦労したが、とりあえず、みんな優しい。あの地獄は普通ではなかったのだと実感させられた。 あと、前の学校のいじめっ子はほぼ引きこもりか退学になったとか。木下さんの部下がいじめっ子の個人情報と俺の顔にモザイクをかけたいじめ動画をネット上に徹底的に流したらしい。 ネット民はいじめられっ子が多いから一瞬で広まって、家まで押しかけて来るやつもいたから引っ越すけど、転校先でもその映像は出回っているから通えなくなったと話していた。 それもいじめでは?という気持ちもなくはないが、だからといって許せるわけではないし、俺の気持ちを存分に味わってくれという気持ちだ。 義理の母の方はまさかの実の息子にも手を出していたらしく、その証拠を送りつけたら家から放り出されたそうだ。軽い気もするけど、気づきやがなかった父のダメージと顔しかないコブ付きバカ女が無一文で放り出されたというだけでいいとしよう。 その後、無事に高校を卒業し、法学部に入った。俺のようにいじめにあった子どもや会社でいじめにあっている人間を助けるために、法律でどんなことができるのか学びたいと思ったのだ。 木下さんとは半年に一度近況報告と関係者の現状を聞くために会っている。法学部のくせに違法な人間に会ってるんじゃねー、と言われるが、家族を捨てた俺にとってお父さんみたいな存在なので、少なくとも弁護士になるまでは会ってもらうつもりだ。
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