アフターエランはウサギとともに

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 さらに1年が過ぎた。  ここにきてエランはある発見によりようやく終息に向かい始めた。  多くの動物が殺処分されたと思われる中、ウサギだけが変わらず回収を免れていた。  ウサギを飼う家庭での感染例が少ないことから、もしかしたらと思った研究者がようやくウサギの吐息の中にエランを弱毒化する成分を発見した。    発見者は日本人だった。  ウサギとともに暮らすだけでエランの恐怖を減らせるとわかり、さっそく一軒に一匹のウサギが日本のある地域で実験的に配られた。  あっという間に効果は表れ、日本全国の希望する家庭すべてにウサギが配られることになった。  家族にウサギアレルギーを持つ者がいないことを確認してからの配布になったが、他の動物にアレルギーを持つ人も不思議とウサギにアレルギーを持つ人は少なかった。
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