アフターエランはウサギとともに

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 そう思った香奈枝は週3日程度の仕事をできればオンラインでしたいと考えながら求人サイトを見るが、ほとんどAIやロボットが肩代わりできる世の中になってしまったのでなかなか仕事が見つからない。  エランで完全に仕事を失い何年も仕事から離れていた香奈枝だからなおさら雇いたいと思ってくれる職場が見つからない。  何の資格ももっていないことも影響して香奈枝は頭をかかえた。  ようやく外に出られるようになって考えることはみな同じのようで仕事を求める人が多く混乱をきたしているようだった。  フルタイムで働くことを希望する人も多かったが、仕事にありつける人はごくわずかだった。  政府はこの事態を深刻に受け止め、希望者全員が選り好みさえしなければ働けるようにと一人が働ける日数を週2日までと決めた。  もちろん人手不足や特殊な能力がいる医師などの職業はその制限には当たらない。  また、政府政府が与える仕事以外に自分で開業するなどして仕事を見つけられればそれ以上に働くことができるが、かわりにその週2日の仕事の権利を放棄しなければならない。
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