アフターエランはウサギとともに

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 多くの仕事がオンラインでできるようになった。  外に食べに行くことはなくなり、たくさんの飲食店が店をたたんだ。  それどころか、農業人口も減り食料は配給制になり自由に手に入れることができなくなった。  一律で配られる食料は性別、年齢に対応しておらず日に日に人々は弱っていった。  いずれロボットが農業を肩代わりするようになるのだが、初めのうちはロボットの数が足りず食糧不足を余儀なくされた。  食は人間の生活に欠かせないものなので優先的にロボットが配置されたが、それでも自由に食料を手に入れられるようになるまでにはかなりの時間がかかった。  ロボットの数が足りない間は農地を一時的に放置せざるをえなかったが、その農地を復活させることはロボットの手を借りても簡単ではなかったのだ。  室内農園も検討されたが、太陽を浴びて育った食物の方が栄養価が高いからと断念された。  少ない食べ物からより効率的に栄養を賄うには、太陽の力が重要なカギを握っていると言わざるをえなかった。
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