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香奈枝だってずっと可愛がってきたのだ。
レインとの別れの意味を真由以上にわかっている香奈枝は胸をえぐられる思いだったが、真由の命には代えられないと眠っている間に回収業者に引き渡した。
目を覚ました真由はレインを家中探し回り、また泣き続けた。
目が溶けてしまうのではと思うほど泣き続ける真由を香奈枝は見てられなかった。
真由をぎゅっと抱きしめた香奈枝は、お別れはレインの幸せのためなのだとなんども言い聞かせた。
嘘はいけないとわかっていたが、他に何といえばよかったのだろう?
レインに幸せなど待っていないことに気づいていた香奈枝は胸がちくりと痛んだが、真由に気づかれるわけにはいかないと涙を隠した。
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