神様からの最後のひと息

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 だが、その日は突然やって来た。 あれから3ヶ月がたったある晩の0時を回った頃、兄から絢香に電話がかかって来たのだ。 「親父が急変した。今夜が峠だって。絢香来れるか?」 絢香は慌てて息子と病院に向かった。 あんなに元気そうにしていたのに、かなりゼーゼーゼーゼーしていて意識もないようだった。 兄が父親の手を握り肩をさすりながら「ひ孫の顔を見るんだろ、頑張れよ!なにやってんだよ!サヤカにやっと子どもができたんだよ!オヤジにとって初めてのひ孫だろ!目を覚ませよ!頑張れ!頑張れよ!……」 兄がずっと父親に話し続けていた。 その光景を見て、絢香はやっぱり親子だったんだ!と叫びたい気持ちを感じつつ、息子と一緒に父親に声かけをした。 ゼーゼーする音にかき消されそうな息子の「おじいちゃん、おじいちゃん」という声。 「聞こえてるよね、お父さん、頑張って!」絢香も耳元で声をかける。 機械音が絶えず鳴っている。 ゼーゼーゼーゼーが酷くなっているように思う。
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