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涙声で「馬鹿、何処に行っていたの?本当に・・」 と、言葉にならない声で。 お父さんは、無言で僕を見つめていました。 「御免なさい。土管の中に入ったら出られなくなったの」 と僕は泣きながら言ったのです。 お父さんは、何も言わず首を「うんうん」と動かしていました。 「お前、臭いな!すぐにお風呂入りなさい」 と、父から言われ僕はお父さんと一緒にお風呂を入ったのです。 お父さんは僕の体を洗ってくれました。 「何でこんなに臭いんだ。」とお父さんが聞くので 「僕の居た土管の中に、死体を投げ込んだ人がいたの。 僕は怖くて死んだ真似していたの」 「あの土管の中にいた子供は、お前だったのか」                         完
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