第3話「ヒトの姿」

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「うん。 僕は人間を見たことあるから。 人間はみんな後ろ足だけで立つんだよ。 アカギもやってごらん?」 モリナガに言われて俺は後ろ足に力を入れると簡単に「立つ」事が出来た。 「何か地面を掘る物を探そう。 この手と爪では無理そうだから。 僕が探してくるからアカギは待ってて」 「お、おう…」 モリナガはそう言うと森の奥に行ってしまった。 「…さぶっ」 毛皮がなくなったからか、とても寒かった。 頭と脇、それからちんこの上に赤い毛が生えてるだけ。 それ以外はわずかに短い毛が生えてるだけだった。 空を見上げるともう雪は降ってなかった。
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