第1話「果てしなき縄張り争い」

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第1話「果てしなき縄張り争い」

「チクショウ!もう俺たちだけになっちまった!」 俺の兄弟達は今目の前で狼共に食われている。 「アカギ!これ以上は絶対に退けないよ! この先には母さんと妹達がいるんだよ!!」 「わーってらぁ!! このクソ狼め!!」 俺は狼達のリーダーであるタカナシに特攻をかける。 「大人しくしてれば楽に殺してあげるのに。 君は理解していない。 狐が狼に勝てるわけがない!!」 俺より素早くタカナシが動き 「ぎゃあ!!」 俺の右前足にかじりつく。 「アカギィー!!」 いてぇ…右前足がいてぇ!! バキバキと骨を噛み砕く音が響く。 「よくも!!」 俺の右前足が食いちぎられると同時にモリナガがタカナシの顔に食らいつくのが見えた。 「ぐっ…目が…この狐め!!」 俺の右前足を食いちぎって狼の仲間の方に投げたタカナシはすきを入れずにモリナガの左後ろ足に噛みつく。 バン バン バン 「ぐあぁっ!!」 ブツンッ!! 後ろ足を噛まれたまま叩きつけられたモリナガは必死の抵抗をするが、後ろ足が食いちぎられて俺の方に飛んできた。 「モリナガ!!」 「う…ぐ…これまでか…」 モリナガの後ろ足からは大量の地が流れ、地面を染めていく。
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