第1話「果てしなき縄張り争い」

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「無茶もクソもあるか!」 横目で狼達に食われ、骨だけになった兄弟達を見る… 助けられなかった… 俺達が弱いから狼に勝てなかった。 (俺達を創った神様とかいうやつがいるなら…なんで、俺達を弱く創った! なんで食う食われる世界にした!! 人間に毛皮のために狩られた父さん… 弱いやつが泣く世界なんてクソ喰らえだ!!) ギャッギャオォーンッ!!! 俺は天に向かって吠えた!! もう、モリナガは…兄は助からない! 太い血管を食い千切られたモリナガの脚を止血しようとして嫌でも分かった…。 止まらない血 ドクドクと伝わる流れ出ていく血… 曇りゆくモリナガの目… ギャオオーーーンッ!! (無駄だって事なんだろう!! クソ神様め!! 俺は、兄弟を死なせたてめぇを死んでも怨んでやる!!) 俺も自分の前脚からの流血で意識が遠のきそうだ。 意識があるうちに、前々から思っていた不満を叫んだ。 ギャギャオオーーーン!!! (俺達が生きるためにうさぎやネズミを殺させた!! アイツラだって家族がいたし、生きたかったはずだ!! それをてめぇは!!) 狩りのたびに、獲物にトドメを刺すたびに思ってた。 仔ウサギが見ている前で親うさぎを噛み殺した事もある。 親鳥の後を歩くヒナを捕まえて食ったこともある。 (そうさせたのは、神様。 てめぇだ!!)
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