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【獣たちよ…】
「はっ?!」
直接頭の中に声がひびいた。
【人間は人間を殺す道具で今、全て滅びました】
「……」
人間が…滅びた?
【獣達よ。
今からあなた達にヒトの姿を与えます】
「ヒトの姿…?」
【失われた部位が有るものは治しましょう。
古き傷も癒やしましょう。
そして、空腹をなくしましょう。
知恵を与えましょう】
「!!」
なんだ?!
俺の前脚が…タカナシに食い千切られたところから感覚のある「モノ」がまるで植物のように生えた。
【ヒトの姿と満たれた腹と知恵を与えた引き換えに、
ワタシはあなた達から生殖能力を奪います。
オスとメスには平等に性殖器を与えます】
「う…」
ケツの方から何か生暖かい感じがした。
【最後に、あなた達に
不老不死の命を与えます。
傷付けばそれはすぐに癒され、たとえ切り離されても根元からすぐに復元されるようにします】
「ふろ…」
「不老不死。死なないし、老いないって事だね」
「モリ…ナガ?」
光が薄れ、俺の前脚の間にあるモリナガの体が熱く、大きくなっていく。
「な、なんだ?!
モリナガ!!
どうなってんだ?!
教えてくれ兄貴!!」
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