詩「青い林檎」

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青い林檎をかじる それは空間、を満たしていく     肺、這う、     みどり色の蛇! 故郷の皮をかぶって帰ろう、(ベッドサイドの)  灯りに照らされているその光沢のある香り  ……焦げた皴のある現世界、反芻、そして  咀嚼、咀嚼、噛みしめて、奥歯、その皮を  …… (真ん中に線を入れるように、皮を、種を、     青空を―― かじりついた     恍惚の今朝         死の匂いだ             一回転半                 止まらな い     青い闇の         空襲と             視姦する                 指の中 絵の具を持って     机の上の目         溶け込ませる             それは洗練された                 ヒューマニズム     塩分を含んだ         川の穴             まるで故郷だ 蛇は背中     隙間に差し込んだ         懐かしい記憶             その緩衝材の 批判的だった     世界は         牙             みどり色                 いや、                 いや、                   いや、                   いや、     ……――。 果物は林檎ではない わたしは青いものが嫌いだから     マトリョーシカ、     細胞分裂だ! 空間に広がる青空のような爽やかなあの香り  を地面に、土に、灰の中に埋めこんでしま  え、圧縮された命の匂いに近づけるために、  青はいつだって視姦の対象だ、不都合な色  だ、肺だ、這っている蛇だ、空間の塊だ、  ……                   いや、                   いや、 それは青い林檎、 決して見上げることのない、   詩人ではない   もちろん、、青空でも――
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