緋襷師匠

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先生が書いておられる姿が目に浮かぶようです。 「要君、これからは仕事をする環境ってモノも考えないといかんな。私も後何年書く事が出来るかわからないけど…」 そんな事を先生は言っておられました。 まあ、まだそんな心配はいらないのでしょうが…。 私は書斎を出て、食堂に向かいました。 ちょうど希世さんが朝食を食卓に並べられている所でした。 「書斎、かなり出来上がっている様ですね…」 希世さんはそう仰りながら、私の前に珈琲を置かれます。 「ええ、かなり完成が想像出来る様になりましたよ」 私はそう言って手を合わせました。 「希世さんのお部屋はどうですか…」 私は厨の裏に作られている希世さんのお部屋の事を訊きました。 女性の住まわれる部屋なので、ちゃんと見た事はありません。 「ええ、もうかなり出来ています。後は寝台を作ると律さんが言っておられましたけど…。寝台で寝た事なんてないので、眠れるかどうか少し心配です」 希世さんの寝相がどうなのかわかりませんが、悪ければ何度か寝台から落ちられる可能性は否定できません。
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