挨拶

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挨拶

「今日からお世話になります!斉藤ゆめです!よろしくお願いしまーす!」  元気に名乗りお辞儀したかと思えば、ピシッと敬礼のポーズをする彼女、斉藤さん。  その型破りとも言える元気さに、みんな少し苦笑いしながらも、なんだか憎めない。 「じ、じゃあ仕事については、こちらの加藤さんに教えてもらってね」  支社長に紹介されたので軽くお辞儀する。 「加藤です。よろしくお願いします」  ……あれ?反応がない?  顔を上げて斉藤さんを見てみれば、ぽかんと口をあけている。 「どうかした?」 「あ、いえ。綺麗なお辞儀だなって!」  キラキラした目で言われて思わず一歩、後ろに下がった。 「加藤さん、あとは頼んだよ」 「あ、支社長⁉︎」  そそくさと自分のデスクに戻っていった。  逃げた!絶対、逃げましたよね?支社長。  デスクに戻ったらPCで隠れるように身を屈めた。
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