*1

5/9

6人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
******* 伊織に告白したのは高校生の卒業式の後だった。 私は、高校生になって電車通学になった。 朝、いつも同じ場所に座って 制服着て、イヤホンしながら眠そうに外をぼーっと眺めてる人がいて、 たぶん一目惚れだったんだと思う。 サラサラの黒髪で背も高い とても端正な顔立ち いつも気だるげで、無気力そう。 でも、伊織が女の子とっかえひっかえなことはすぐにわかった。 放課後、駅で見かけるたびにいつも違う女の人を連れてたから。 大人の人が多かった。 女癖悪いんだなって だから、あまり印象は良くなくて、 ただ、めちゃめちゃかっこいい人がいるなーってだけだった。 でも、ある日 駅構内で、両手に荷物をいっぱい抱えた女の人がいた。 遠い所から来た人だったんだろう、 通勤ラッシュだったから、人の波に押されて転んでしまい、荷物も全部ばらまいてしまった。 その人は、慌てて散らばったものを集めて、 でも、みんな急いでるから見て見ぬふり。 私も、手伝いにいくのに少し悩んだぐらい。 そんな中、スッと現れた男の人 そして集めるのを手伝った 見覚えのあるその長身な姿だからすぐにわかった。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加