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伊織に告白したのは高校生の卒業式の後だった。
私は、高校生になって電車通学になった。
朝、いつも同じ場所に座って
制服着て、イヤホンしながら眠そうに外をぼーっと眺めてる人がいて、
たぶん一目惚れだったんだと思う。
サラサラの黒髪で背も高い
とても端正な顔立ち
いつも気だるげで、無気力そう。
でも、伊織が女の子とっかえひっかえなことはすぐにわかった。
放課後、駅で見かけるたびにいつも違う女の人を連れてたから。
大人の人が多かった。
女癖悪いんだなって
だから、あまり印象は良くなくて、
ただ、めちゃめちゃかっこいい人がいるなーってだけだった。
でも、ある日
駅構内で、両手に荷物をいっぱい抱えた女の人がいた。
遠い所から来た人だったんだろう、
通勤ラッシュだったから、人の波に押されて転んでしまい、荷物も全部ばらまいてしまった。
その人は、慌てて散らばったものを集めて、
でも、みんな急いでるから見て見ぬふり。
私も、手伝いにいくのに少し悩んだぐらい。
そんな中、スッと現れた男の人
そして集めるのを手伝った
見覚えのあるその長身な姿だからすぐにわかった。
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