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「あの…!
わたし、大丈夫です!ずっと2年間好きでしたから!」
もはや、恥ずかしさに耐えきれず涙が出てきた。
「でも、まぁいいや。その都合のいい関係っていうのだったら悪くないかな」
少し悩んだそぶりをした後、彼はいたずらっ子のように口角を上げた。
「いいよ。」
「付き合っても。」
「え、本当ですか?!」
「うん。」
その返事に、
まだ高校生で、青くて、痛くて
無知なわたしは
本当にばかみたいに泣いて喜んでいた。
「でも、先に言っておくけど、
俺、人を好きになることはないから。」
彼が自虐的に放った言葉の意味、自分を苦しめることを、
もっとよく考えれば良かったんだ。
これが私と伊織が付き合うはじまりだった。
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「てか、なんで俺の進路知ってるの?」
「入学説明会見つけました!
すごくないですか!私たちなにか縁を感じますね!」
「あーはいはい笑」
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