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第一章 第1話 対比神格体抗争
Ⅲ
——世界の刻が動き出す。
"平和"の干渉によって、五十年の抗争が続く世界はようやく清算への道を切り開く。
その世界は平和を望んでいる。
——ある者は心境の感覚を。
——ある者は人生の見解を。
——ある者は思考の方法を。
——ある者は生命の目標を。
——ある者は存在の場所を。
そして、ある者は世界を覆う天の色を。
全ての命に望む未来がある。そこに人間と神格体の差異は無く、その者達は例外なく時間を費やして望む未来に進む。
——しかし、世界には決して相容れない、対が存在する。
感情あれば理性あり。陽気あれば陰気あり。楽観あれば悲観あり。革新あれば保守あり。温暖あれば寒暖あり。朝あれば夜あり。
これは、奇しくも対比の神格体達が巡り合った世界で、自身の存在を証明する戦。
対比神格体抗争、ここに始まり、そして未だ刻は止まっている――。
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