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第十一話 光に触れ side:紫貴
side:紫貴
――昨日のことのように覚えている。
今からもうニ年以上前になるあの日、俺は、みどりに出会った。
それが俺にとってどれほど意味があり、どれほど価値があることなのか、彼女は知らないし、俺自身、……わかっていないのかもしれない。
ただ、あの日から、俺は生きることが楽になった。
あの日、……、彼女は俺に爆弾を投げつけたのだ。
これは、俺の話。
俺の、ポートレートだ。
――発端は、父親の入院だった。
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