外面と内面

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5月12日(金) 下校時 (()イメージ絵)8b740959-b0be-4648-863b-5f7411f7a9e5 夜宵:・・・・・・! 早月:──。 早月と、目が合った。 その瞬間、僕は逃げるように早歩きで下足から出ていった。 そして出たあと、正門まですぐに走り出す。 辿り着いた。抜けた。振り返る。 ──いる。見られてる。 僕は、彼から死角になったところまで来ると、また走り出す。 そして、しばらく走ったあと、彼が正門から抜けたと思われるタイミングで歩き出し、一応振り向く。 そしたら、ちょうどよく彼が正門を抜けていた。 僕は早歩きで逃げようとする。 ──でも、“音”が聞こえる。 走っている音だ。 だから、僕はあえてスピードを落とした。 ──抜かされた。 夜宵:・・・・・・・・・。 少し苦しくなった。 何もされてないのに。 抜かされたあと、早月は遠くの押しボタン式信号機に引っかかり、後ろを向いて僕を見ようとしていた。 僕はそれが嫌になって、怖くなって、違う道から走って帰った。 ──例え、僕のことを、気にされていなかったとしても。 ──例え、彼がただ早く帰りたかっただけだとしても。 ──「逃げる」しか、出来なかった。 ──この状況を、「壊す」なんて無理だ。 ──僕には、出来ない・・・・・。
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