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「えっ」
と遠くまで飛んでいくものだと思っていた私が、びっくりした顔をしていると、
「たくさん練習すればもっと飛ぶようになるからね」
と男の人は、笑顔で言った。
「どうもありがとうございました」
と父は言って、納得いかない私を連れて建物の外に出た。
「お父さん」
と私が言うと、
「どうした、みく?」
と父が聞いたので、
「私、さっきのやってみたい」
と父の顔をじっと見て言うと、父はびっくりした顔をして、
「弓道やるの?」
と言ったので、
「うん」
と私は答えた。
「みくに出来るかな」
と父が言ったので、
「ふうだって棒を振るやつやってるよ」
と私が言うと、
「うーん、分かった。
ちょっと聞いてくるからここで待っていて」
と父は言って、再び建物の中に入っていった。
私の所に戻ってきた父は、
「大丈夫だけど、お母さんにも聞かないとね」
と言ったので、
「早く戻ってお母さんに聞こうよ」
と私は言って、走り出した。
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