座談会

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座談会

ーー二つのノンフィクション、『よしけんvsホスト崩れ』、『M君vs自立美容師』の出版が決まりました。飛ぶ鳥を落とす勢いのよしけんさんです。  よしけん「あははは。どうも」  ーーこの作品を書かれていかがだったでしょうか?  よしけん「掲載元のエブリスタ上で警察の対応や周囲の人間が役に立たず、泣き寝入りを強いられていたシーンまでを描写しました。出版するのはその部分も含めて転機が訪れて解決に至った完全版です」  ーー転機が訪れたのですか?  よしけん「そうです。私自身予想もしていないところから事態が急転しました。これは本編を読んでからのお楽しみです」  ーー八方塞がりに見えましたが、見どころはどんなところでしょうか?  よしけん「この作品では私はとことんリアリティを追求しました。時系列の忠実な再現がなされています。登場人物の美化、魅力化がなされていない有り体の姿の再現を味わっていただきたいです」  ーーなるほど、フィクション作品ではキャラを美化しすぎてリアリティがありませんからね。  よしけん「そうです。登場人物がボロを出すシーン等、格好悪さもそのまま再現していますが、これが作品の魅力につながっています。そして、無理矢理オチを作ったりはしていませんが、しっかりと、思いもよらない形で物語は完結しています」  ーーオチを無理に作らない、ですか。興味深いですね。  よしけん「フィクションのおよそ全てに当てはまる無理なオチの設定や、オチを際立たせるためのストーリー展開、それからダラダラと長い見せ場のシーン。私はこれはもはや時代錯誤だと考えます。エンターテインメントが多様化した現状では、こういった尺の長い展開に消費者は、読者、観客は疲れてしまいます。求められるのは手っ取り早い楽しみです。皮肉にも、現実の再現がそのまま無駄なシーンのカットにつながり、コンパクトな仕上がりになっています」  ーー確か、五分で終わるエンターテインメントが求められるのは現状ではフィクションの展開はくどく感じられるかもしれません。  よしけん「そうなんです。大金をかけて作った尺の長い映画より、YouTubeの炎上シーンが好まれる。これはエンターテイメントの方向性の一つを示すものです。しかし、見せる部分はしっかりと見せていきます。真実の再現の優先が自然な結末に導いてくれますので、不自然な読後の疲れは感じないでしょう」  ーー『自立美容師』の方はいかがでしょうか?  よしけん「仕事に甘えて何もできなくなった中年、というありがちな人物像を主題としました。これはもう、M君からもらったプロットそのものをそのまま使っています」  ーー作品の節々に「無能王」という言葉が使われていますが、これは…?  よしけん「M君の造語です。彼の周りには仕事だけで何の知性も教養も無い人間が多いらしく、反面教師にしているとのことです。絶えず人間は成長していくこと、アップデートが必要なんだという事を、この作品の執筆を通じて学びました。アップデートの重要性は次回書く予定の『ピアノ論』執筆の大きなヒントになりました」  ーーマウントカウンターの方法等もこの作品の参考になると思います。  よしけん「自立美容師の張り合いがなさ過ぎて、M君のマウントカウンターはそこまで派手に発動したわけではありません。目の前の仕事さえやってさえいれば、何の能力がなくても年功序列型の日本社会ではとりあえず世間体は確保できます。しかし、資格に関してはいくら仕事をアピールして世間体を確保しても、受からなければ負け犬な訳です。この作品はそう言ったことを教えてくれます」  ーー確かに、資格は実力の世界ですからね。タイムカードを押してそのままというわけにはいきません。  よしけん「奇しくもM君が何気なく放った、『別に俺、資格大量に持っているから』といった発言が、実力と世間体の対照というこの作品のプロットを形成しています。あとは自然な流れで事実関係は進行したので私の脚色は入れ込みませんでした」  ーーフィクションや実用などあらゆる分野で活躍中のよしけんさん、ノンフィクションでは警察機構や「無能王」のどんなリアルを見せてくれるのでしょうか⁉ 今後とも目が離せませんね‼
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