詩「とある詩人の一日」

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目の前のメモが揺れている 奈良の山から吹いた風で 次はいつ雨が降るのだろう ここはあまりにも静かだ 詩を書くにはあまりにももったいない よく畳の上で寝転ぶ 大の字になって そのときに思い浮かぶことを なるべくその流れが止まらないように 頭の中で俯瞰的に見つめていく 時間というものをつかみ取る 若いときはその概念すらなかったのに いまは時間という概念が日々を砕いて  いく それはきっとあまりよくない考えだ 机の椅子の上でよく眠っている 引き取った保護猫は もう二度と自然には帰れないぐらい あまりにも人間的だと思う そこが愛おしくてたまらないのだが よく近所を散歩する それは朝だったり昼だったり ときには小学生の娘を連れて夜に歩く ここは緑が多く ここは空気がまだ擦れていないから お風呂はできるだけつかりたい シャワーだけだと疲れが落ちない お布団にはきれいな状態で寝転びたい たとえどんなに眠たくても たとえ明日が目と鼻の先でも 眠るとき ぼくたちは川の字で眠る 目覚まし時計をセットして そしてどこからか猫がやってくる
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